恋するサクラ
相談





「真紀~どうしよう」

「どうしようじゃないでしょ?ちゃんと返事したんでしょ?」

「そうだけど……」

「そんな、名前のこと考えてたら、恋なんかできないって」

「まあねえ~」

 仕事場で打ち合わせをしながら雑談が入る。

 どうしてもね。

 あの時はその場の勢いで、OKしちゃったけど、本当によかったのだろうか。

「あんたさ、あたしなんか、もっと大変だよ。絶対にありえないからいいけど、私が部長と結婚したらどうなると思う?」

「え?部長って、原部長?」

「部長の名字になったら、あたしゃハラマキだよ」

「ほんとだ!」

「ゆいちゃんが油井さんと結婚したら「ユイユイ」だし、まゆちゃんが細井さんと結婚したら「ほそいまゆ」だし、さきちゃんが花野さんと結婚したら「はなのさき」だよ」

「ゆいちゃんが葉中さんと結婚したら「はなかゆい」……」

「ね、そんなこと気にしてたら、恋なんてできないってこと!とにかく、プロポーズされたわけじゃないんだから、そんなこと考えるの、気が早すぎ!」

「そうか~」
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