ティアラ
第3章

消えない不安


みなさま、新年あけましておめでとうございます。

わたくし「百瀬美和」は、これからもみなさまのご期待を裏切らぬよう、雅やかに輝き続けますので、どうか今年もよろしくお願いします。

「今どこ?」

ピンク色のストラップをぶら下げた携帯電話を握り、口をとがらせて問いかける。

居場所を聞いたあたしは、深いため息をついた。

「どうして、このあたしが待たなきゃなんないの?」

電話の相手は、深町篤紀。

男子校に通う、あたしの彼氏だ。
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