◆Woman blues◆
vol.4

幸せの中の衝撃

◆◆◆◆◆◆

「きゃー」
 
明らかに悲鳴ではない言葉を発し、麻美は私を睨んだ。

「いやいや、夢輝チームリーダーったら、仕事もデキるし男もすぐゲットしちゃって、ほんと凄いわね」

「そんなんじゃないんだってば」

今夜は、どうしても太一に会わせろとうるさい麻美の要望をのみ、三人で飲み会の予定だ。

「で、彼は?」

居酒屋『れん』の座敷に座りながら、麻美は辺りを見回した。

「今日は課長に連れられて社内を回ってて、定時すぎても一課に戻ってなかったんだけど、もうすぐ着くはず」

朝の太一との会話を思い出しながら、私は麻美にこう言った。

「先に飲んでてって言ってたから、ビール頼もう」

「うん」

私と麻美はビールを注文し、おしぼりを手に取った。

「で?」

「なに」

「どうだった?」

麻美の顔を見れば、何を聞きたいのか直ぐに分かった。

「まだしてません」

「同じベッドで寝たんでしょ?なんでなんにもないわけ?」

「そ、そんな……まだそこまでは」

麻美はニヤッと笑った。

「勿体振ってんだ」
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