好きだけど、近づかないでくださいっ!
最大の嫌がらせ
「・・・私、スキサケなんです」

そう腹を括って一言、つぶやく。

目の前の俺様はスプーンで掬ったコーヒーゼリーを食べようとしていたみたいでピタッと動きを止めた。

もう、ここまで話したのだから開き直ろう。私も中断していたイチゴたっぷりのストロベリーパフェを頬張った。

「はっ?スキサケ?なんだ、それ。流行ってんのか?」

「流行っているかどうかは知りませんが、とにかくスキサケなんですよ」

大の大人二人が、コーヒーゼリーとストロベリーパフェを頬張りながらスキサケの会話をする。滑稽すぎる。

「あんな、お前誰が『スキサケなんです』って言って、そうなのかって納得すんだよ?本当、お前は話し下手だな」

「話し下手ってなんですか!こっちが恥ずかしいの我慢して話してるのに」

「だからそのスキサケが何かわかんねえって言ってんだろが。それ、辞書にでも載ってんのか?まずはそっから説明すんのが筋だろうが」
< 56 / 113 >

この作品をシェア

pagetop