カタブツ上司に愛された結果報告書
報告書③『交際上の注意事項について』
「美海ちゃん、悪いんだけどクライアントとのミーテイング、一緒に参加してもらってもいいかな?」

「大丈夫ですよ、了解です!」


いつもと変わらないオフィス。


「灯里ー!! 今日こそ一緒に帰るんだからな!」

「わっ、分かりましたから代表、早くお仕事にお戻りください」


相変わらずな代表は灯里ちゃんの腕を掴んでなかなか離さない。

当然灯里ちゃんは顔を引きつらせながら、やんわり代表の腕を離さそうと試みている。


これもいつもと変わらないオフィス。そして――。


「代表、すぐにお戻りください。でないと、灯里さんと一緒に帰れなくなってしまいますよ」


淡々とした口調で代表を促す田中さん。
これもまた変わらない我が社の日常。


そう、変わらないのだ。
あの日から一週間も経つというのに、田中さんと私の関係もなにひとつ変わっていない。
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