ぼっちな彼女と色魔な幽霊

「図書委員会の目的はね、多くの生徒に本をより身近なものとして感じてもらえるようにすること。それと、図書室を利用する人が気持ちよく利用できる環境を提供することでもあるの。その為には何が必要だと思う?」

宮崎先生は図書準備室で優しく語りかけるような口調で訊いた。

「えっと、喋ったりしないように注意するとか、掃除をしてきれいにしたりとかですか?」

「そうね。そういうの大事だよね。だから話をしないでと伝えたり、図書室をきれいにするのも仕事ではあるんだけど、それはほんの一部でしかないの。

仕事は、もしかしたら思ったより沢山あると感じるかもしれないけど、やるなら責任を持ってやり遂げてほしい。

だから図書委員会の中で担当を班でわけて、自分の役割を決めているのよ。

本の修復をする修理、図書室を飾り付ける掲示、本を棚に戻す整理、図書室の利用した人数をまとめる統計、あとは本のリクエスト、アンケート、そして広報とね。

各自担当の班に別れてはいるけど、みんなで過ごしやすい図書室を作っていけるよう協力することが大切なんじゃないかなって思ってるわ」
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