ぼっちな彼女と色魔な幽霊
なにこの感じ……。
この角度でヨウを見たことがないせいかな。
男の人なんだなって、異性なんだなぁって実感する。
だからか……なんだろ、この変な感じ。
「起きろ、ドジ」
そう言うと興味なさそうにベッドに背中を預けた。
「起きるわよ。もう驚かすのがいけないんだからね」
ようやく腰をあげて、睨む。
そんなわたしに気がついたのか、そっとヨウは顔を近づけた。
意地悪な顔とかじゃない。
前にされたキスのことを思い出して、わたしは目をつむった。
けど唇が触れそうな距離で、息遣いを感じて離れた。
「やっぱやめた」と、テーブルの上に置いてた漫画を読み始めた。
絶対、からかった。
なんなのこいつ。なんなのこいつ。
「なんかあったら言えよ。お前よりは男の気持ちわかるし」
でも気まぐれで優しいこと言うから、とり殺されるのも嫌だから、「うん」と大人しく頷いた。