健康診断の甘い罠
好きが芽生える

初めてのデートを何だかんだ楽しんだ私は夕飯もご馳走になり家にも送ってもらった。


何だか至れり尽くせりで申し訳ないくらいだ。


いや、ドキドキさせられたりキュンとさせられたり、悔しくてふてくされたりで感情が忙しかったけど。


それでもすごく楽しかった。


「あの、今日ありがとう。すごく楽しかった」


笑顔でそう言う私に和弥くんも笑ってくれる。


「俺も、楽しかった。あ、千紗。携帯貸して」


「え?なんで?」


急にそう言われて私は首を捻る。携帯、番号はもう交換してるし、何でだろう。


「いいから、ちょっと貸して。変な事しないから」


そう言われて携帯を出すと和弥くんは私に背を向けて何かしてる。


何してるんだろうと思いつつ待っていると、和弥くんが私に携帯を差し出した。

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