四門メグへの手紙~魔女の瞳番外編~
呼吸が出来ません。

首の骨が、頚椎が、ミシミシと音を立てます。

かすむ目で何とか背後を見た私は。

「…………!!」

血まみれのまま、私の首を締め上げるグールの姿を見ました。

信じられない。

あれだけ体内を切り刻まれ、貫かれて、まだ絶命していなかったの…!?

私に反撃の余地を与える事なく。

「っっっっっ…あ゛…がっ…!!」

グールは渾身の力をこめて私の首を締め上げます。

駄目だ…今度こそ駄目だ…。

私は強く目を閉じ、死を覚悟します。

そして次の瞬間。








「おい」









そんな声が聞こえ、グールの心臓が鋭い爪によって抉り出されました。

「誰に断って手ぇ出してやがる。お嬢ちゃんは俺の獲物だ」







それは、意識を取り戻したジルコーの声でした。


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