それを愛だというのなら


「最高デース!!」


両手を上げて答えると、死神くんは無表情でぼそりと言った。


「キャラまで変えた覚えはないんだが……」

「いや、やっぱ健康だと気持ちが前向きになるよね」


高校に入学してから、今が一番楽しい。それは間違いなくそう言える。


「それなら良かったが、ひとつ心配な点があってな」

「はい?」


手を下げると、死神くんは無表情のまま言った。


「お前、今日恋人ができただろう」


まあ、よくご存じで。もしや、影から様子をうかがっていたのかな。ちょっと恥ずかしい。


「お前は彼のことが、前から好きだったのか」

「え……そういうわけじゃないけど」


死神くんと会ったのと同じ日に会って、助けてもらったから気になって……。

勢いで告白してしまったということは、少なからず好意はあるんだろうけど。

この気持ちが『恋』だと言いきれるかと問われれば、自信がない。


「まあ、それならいいか。あまりのめり込むな。私との契約を忘れるな」


のめり込むなって……。


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