恋のルール教えて下さい ~憧れの課長と大人の恋~
終章

「悩んでても始まらないから、実際に会ってみれば?」

葛城さんが、突然そんな事を言った。

悩んでたつもりはなかったんだけど。

時々彼の前で、遠くを見つめたり、ぼんやりしてた自覚はあった。

すっかり心のうちを読まれてしまってるみたい。

こういうところ、本当に良く気が付いてくれる。

ごめんなさい。ちょっと暗かったかな。


「でも、会うって、誰に?」誰のこと?見当もつかない。


「俺の母親」

ん?

「えっと、
それって……お母様、あなたの」


どうして、あなたのお母さんに会うことが、私の悩みを解決するの?

「そう、
うちの親に会ってくれるっていうやつ」

涼しい顔してサラッと言ってくれるけど。


それ、大変な事ではないですか?

それに、お母さまに会うよりも、肝心な事がまだではありませんか?


「会ったらって、それ、本気ですか?」

いたって真剣な顔。

冗談言ってるようには見えない。

「もちろん。本気だよ。早い方がいいよね?今週がいいかな?」

今週?って

「いくら何でも、それは早すぎます」

「ダメだ。伸ばすと、いつまでも悩んじゃうからね。
悩みだすと、キリがないから今週ね。髪型も服装もいちいち新しくしなくていいから」

と、言われましても。

「日曜日ならいいでしょう?土曜日一日あれば、なんとかなるでしょう」
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