強引専務の甘い手ほどき
第3章。

納涼祭の夜。

翌日。
「昨日は酔っ払ってしまってすみませんでした。」
と朝のコーヒーを持って行きながら小声で言うと、
「いや。あれはあれで楽しかった。」と専務はクスンと笑って私の顔を見た。

「カエデちゃんが、呑気なオンナで助かってるよ。
こっちもイロイロやらなきゃならないし。」と石神さんが私の顔を見る。

「?」と怪訝な顔のまま、専務室を退室する。

「カエデさん、デートどうでした?」と美鈴さんが笑った声で聞くので、
「お、お食事して来ました。」と言うと、
「いいなあ。お付き合いするんですか?」と私の顔を見る。
「まさか。…昨日はケーキの試食会が上手くいったので、
そのご褒美だと思います。美味しいイタリアンでした。」と笑うと、
上野さんが
「石神さんが、西島さんの味覚を褒めていました。
でも、昨日は社長も西島さんを食事に誘いたかったようですよ。
専務が断ってましたけど。」とクスクス笑う。

社長が?
「…行かなくて良かったのでしょうか?」と私が小さな声で言うと、

「専務と出かけたあと、石神さんが水城さんに呼び出されてましたけど…。
きっと大丈夫でしょう。」と私にニッコリ笑いかけた。

ええ?
石神さん、大丈夫だったかな?
…怒られたりしてないよね。…?





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