どうして彼の海外赴任先へ妻としてついていけなかったのか分からない。


どうしてプラチナのあの指輪を受けとらなかったのか分からない。

自分から幸せを逃した。

いつまでも、私は縛り続けられて生きて行く人生に、再び戻ってしまった。


それでも構わない。
後悔がないわけじゃないけど、彼とはもう戻れない。



唯一気がかりなのは、
あの男との仕事関係が深くなるということ。


…屈託のない爽やかな笑顔を振りまくくせに、無口で、年下の、優秀な男。







どうしよう。私はこの男に少なからずは翻弄されている。







「俺は、福山さんが悪いと思いますけど」

「俺がその足枷を解いてあげましょうか?」

「…俺のこと好きになれば」

「俺が好きだろ…ならそれで、いいだろ」


深くなる関係。

大きくなる気持ち。




うまく回り続ける歯車なんてない。


わかってるのに。





この作品のキーワード
オフィスラブ  秘密  年下の男  不器用  振られる      真実  胸キュン  優しい