弱虫なボク~先生と生徒の距離~
忘れ物
「皆は、もう遊んでいる場合じゃないからね!受験が待ってるよ。」


片目を瞑り、ウィンクをしながら寿美子先生は話しているんだけど、


ウィンクが苦手なのか、若干もう片方の目も瞑りかけている。


そんな不器用な所でさえ、カワイイと思って見てしまう。


しかし、周りの席からは、深く長いため息がこぼれだす。


さっきまでの夏休み話とかで盛り上がっていた空気が今は、全くない。


まるで夢から覚め、現実に戻っていく感じが伝わってきた。

受験勉強という名の現実問題が……
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