ネクタイを片手で緩めて、
不機嫌な瞳が私を捕らえる。
その唇が触れるたび、
甘くて、くるしくて、温かくて、ずるくて。
じわりじわりと私の脳内を侵食するきみは
いつもきまって、不機嫌なキスをする。
◆
・
◆
藍沢 紘
Aizawa Hiro
プレイボーイな最低クズ男
×
内田 紗和
Uchida Sawa
幼なじみに片想いする普通の女の子
◇
・
◇
『──冗談でもいいし、
アイツの代わりでもいーよ』
きみの本心を、何も知らない。
私が知ってるのは、
不機嫌なきみのキスだけ。
- あらすじ
「慰めてよ」そう言ってキスされた日から、クラスメイトの紘とキスするようになった紗和。お互いに他に好きな人がいるのに、こんなのおかしい。そう思いながらも、紗和はだんだん紘と一緒にいる時間が楽しくなっていく。だけど、紘のキスはいつも不機嫌。彼の本当の気持ちは全然わからなくて──……。
紘、どうしてあの日、私にキスしたの?
目次
- ◆◇
- 01.あまのじゃくな出会いで
- 02.気まぐれな腕の中で
- 03.不明瞭なカンケイで
- 04.無自覚な想いで
- 05.子供じみた独占欲で
- 06.ずるい誘惑で
- 07.優しい逃げ道で
- 08.弱虫な涙で
- 09.きみだけの記憶で
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