ツンデレ社長の甘い求愛
衝撃の真実
「お先に失礼します」

「お疲れ様でした」

打ち合わせが終わった後も、この日の私はなにかと仕事に身が入らず、定時と同時にオフィスを後にした。

集中できないのに、ダラダラと残業していても仕方ない。

潔く仕事は家に持ち帰ることにした。

ぎゅうぎゅう詰めのエレベーターで一階に下りて、エントランスを抜けていく。

社長のせいで心の中をかき乱されてしまったけれど、もう会社を出たんだから、社長のことはすっぱり忘れよう。

なんて言ったって明日から二連休！　しかも山本さんと一緒にカイくんとラブちゃんのお散歩に行く約束をしているわけだし。


そうだよ、私が今考えるべきことは社長のことではなくて、山本さんのこと！

彼のことを知るチャンスなんだ。

しっかりイメトレして明日に備えないと。

さり気なく名前を聞いて年齢を聞いて、できれば他にも色々なことを聞きたい。

どんな些細なことでもいいから、彼のこと知りたい。

そして私も自分の名前を名乗って、私自身のことも知ってもらいたい。
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