プルシアンブルー“俺が守る”
毒薬変じて薬となる
「桧亨譲琉、検察でも大人しく話していたらしいですね。」


「まっ、動機が姉貴だったんだ。その姉貴がもういいって言ったんだからそれでいいんだろうな。」



あれから譲琉は逮捕され、殺人と殺人未遂、誘拐の容疑で起訴された。



「まさかここまで偶然と必然が重なるとはな。不可解になるわけだ。」



偶然は、譲琉以外の人物の殺人や事故が爽築の卒業校関連だったこと。


必然は、譲琉が爽築の為に証拠隠滅もしない無計画かつ毒薬を購入し使用して計画的に殺害していったこと。



同時進行ではなかったが、それらが譲琉の居住地周辺…つまり那釜中央警察署管内で起きた事案だった為に最終的に栃元が気付くきっかけとなった。



「それで結局、桧亨譲琉が殺害したのは送検済みを含めて十一名だったんですよね。」


「ああ。まさかの未成年時代にもやらかしていた。」



譲琉が供述したことを、整理して簡単にいうとこんな感じだった。



鈴亭埒嫡への動機は、寄り合いを偶然見た譲琉がセクハラの被害に爽築が遇うことを危惧したからであり、黍獰艮槍の保身を小耳に挟んだ小学校時の譲琉が盗んで隠し持っていた血糖降下剤とビタミン剤とすりかえた。
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