上司な同期は激甘サンタ
「いつまでも美月先輩に聞いてしまって申し訳ないです。」

ハの字に眉毛を下げて訊ねる姿は仔犬のようで、初々しささえ感じられる。



入社7年目の私、江藤美月は、一般職なのもあってまだ役職にはついてはいないが、社内的には十分に中間のお年頃だ。総合職の同期には主任や、早いものなら課長職についているものさえいる。

もちろん、とっくの昔に初々しさなんてものとは縁がなくなり、代わりに要領の良さを身につけている。


だからなのかなぁー。妙ちゃんとは4歳差という実年齢差以上に年の差を感じる。

ま、今年29歳になろうかというアラサーOLだから仕方ないんだけどさ。



自分の席に戻って自販機で買ったペットボトルのアイスティーに口をつける。
うちの会社には紙コップで出てくるドリップコーヒーの自販機もあるのだが、紅茶党の私はもっぱらペットボトルを購入する。あの手の自販機ってコーヒーは美味しいのに紅茶は残念な味なんだよね。
それを言ったらカフェだってティーパックで出てくるトコロもあるし。世間はコーヒーに比べて紅茶に頑張ってないなー。なんでだろ。


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