上司な同期は激甘サンタ
1人でつらつら考えながら、私も業務を再開させる。
月のシメを終えた今週は割と時間にも余裕があるし焦ってやる仕事もないけど、そんなときにしかやれない書類の整理はガッツリ溜まっている。特に廃棄する書類。
営業さんから「やっぱり必要だった」と急に言われる事もあるし、案件がひと段落つくまではとりあえず取っておく、というやり方をしているのでどうしても溜まってしまうのだ。



「江藤のデスクは相変わらず書類がいっぱいなのな」

クスクスと笑いながらデスクの横に来た同期にジトっと目をやる。



木崎裕翔は1年前、同期では一番最初に課長になった男だ。
あの時は、うちの社では花形の営業に在籍したこともなく、いわゆるエリートコースにのってもいないのにこんなに早く昇進した、とみんなが驚いたものだ。
経理課にいて、いきなり課長に昇進するほどの実績残すって何やったのか、未だに謎だし。


「シメで忙しかったのよ。今、高木君のアシスタントやってるから特に廃棄には気をつけないとだし」
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