幕末を駆けた桜
伊東甲子太郎

救出




『お前、本当に戻るのか?』


『当たり前だろう。僕は、新選組の人間なんだよ』


ふんっ…と鼻を鳴らして、高杉を見る。
この一月の間で十分仲良くなったと思う。


まぁ、新選組程信用はしていないが。それでも桂や伊藤、西郷と大隈ともある程度の信頼を築けた。


それに何より、薩長同盟を結ぶ際に、薩摩長州両方の兵を説得したが。

説得する必要がないと思えるほどそれぞれちゃんと自分らの上の考えを理解していた。



『近藤のやつによろしく伝えてくれ』


『顔見知りでもないのにそんな事したら、桂、お前斬られるけど?』


……薩摩と長州は、いつでも新選組を受け入れてくれる。


だが、新選組の方は違う。

頭がカッチカチの近藤さんに、それよりもカッチカチな土方歳三。


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