癒し恋~優しく包まれて~
会えた日
いつもと変わらない日曜日を過ごし、買い物から帰って、食料品を冷蔵庫にしまい終えたとき、インターフォンが鳴った。

誰だろうとモニター画面を見ると、なんとそこには俊也さん。

えっ、なんで?

まだ札幌じゃないの?

ゆっくりとドアを開ける。


「こ、んにちは……」

「何でそんな警戒してるの? 入っていい?」

「まだ札幌にいるはずだし……もしかして、偽者かと……」


私の『偽者』発言に、俊也さんは大きな口を開けて笑う。


「おかしなことを思うね。柊花に会いたいから早く帰ってきたと思わないの? それとも柊花は俺に会いたくなかった?」

「ううん、私も会いたかった」


帰りは夜の八時頃だと聞いていた。だから、太陽が出ている時間に帰ってくるとは思わなかったし、ここに来るとも予想していなかった。


「でも、疲れていませんか?」

「疲れを癒してもらうために来たんだけど」

「ここで? あ、適当に座って」


疲れている人をいつまでも立たせていてはいけない。
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