癒し恋~優しく包まれて~
誓った日
クリスマスを二週間後に控えた金曜日。

あと一時間で終わりだなとデータ入力しながら、右下に表示されている時間を確認する。

退社後の予定を思い浮かべたけど、やるべきことにまずは集中。手を休めることなく動かす。


「岩田くん、三上さん、ちょっといい? 一緒に来てもらえる?」


課長に呼ばれ、「はい」と岩田くんとほぼ同時に返事をして課長のあとに続き、ミーティングルームへ行く。

なんの用件で呼ばれたのか分からなく、私たちは姿勢をよくして告げられる言葉を待った。


「この前のコロアールとの打ち合わせプレゼンは君たちが用意してくれたんだって?」

「はい、パワーポイントと大まかな資料は僕たちで用意しました」


岩田くんの回答に私は大きく頷く。でも、最終的に確認したのは入江さんで、プレゼンをしたのも入江さんだ。


「入江くんにプレゼンが良かったと言ったら、君たちのおかげだって言うからね、ビックリしたよ。まだ一年も経っていないのに立派だね!」

「いえ、立派だなんて。まだまだ未熟者ですが、リーダーをはじめ、先輩方に優しく指導してもらっているおかげです」
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