常世(とこよ)の花嫁様

記憶の欠片

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女性『あなたは...いなかった...生まれてこなかったの...。。。
ブツブツ…。。。だから...こう...するしかないの』
呪文の様に呟く女性ーーー


ドクン、ドクンと小さな胸の鼓動が激しかった

少女「…いやだっ。。。」

ぷっくりした紅ほっぺに、くまのポシェットが愛らしい


中には飴玉3つと食べかけの板チョコが半分…

女性『わがまま言わないの!!…早く降りなさい!!』


何時間もドライブしてここに着いたーーー
黒の軽四の自動車


雨を弾くワイパーの音


カチカチとリズムよくなるハザードの光…


少女「お母さんっ!おかぁさんっ!!やめてっ!!!」
短い手足をジタバタ突っ張って抵抗する

母『名前も住んでる所も、聞かれたら分からないって言うのよ!いい!?』
少女「私!いい子なるから!!!
もぅ絶対に、変な事言わない!!!!!」

ーーー
7歳の幼い私は本当に無力で


母『いい加減にしなさい!!っ!!!!これ以上は、私が!!無理なのよ!!!!』


母は力いっぱい私の腕を引っ張って無理に車から、私を引きずり出した

塔子「うわぁーーーーーあっ!!!」


ちょうどこんなふうにしっとりと降る雨の日だった…


ーーー
私には姉が3人いた
みんな美人で頭も気立ても良くて
私は4番目の末っ子として生まれた
父は仕事と託けて、殆ど家に帰らない人だったーーー


さほど親の期待があった訳でもなかったけど

私以外の家族はみんな見えない人だったから

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