愛しの残念眼鏡王子
皆さんのご厚意で飲み会の席には、ユウ参加させてもらっている。
なので真冬以外は庭でバーベキュー。


最初は警戒していたユウだけど、今では会うなりみんなのところに突進していくほど、懐いている。


そして私と専務の関係は、あの日と変わらないまま。

でも私の気持ちはみんなにバレてしまい、暇さえあればみんなして、私と専務をくっ付けようとしてくる。


わざとふたりっきりにさせられたり、飲み会のたびに隣同士に座らされたり。


本当はそっと見守っていて欲しい気持ちもあるけれど、でも鈍感な専務には、みんなに協力してもらった方がいいのかもしれないと、最近思うようになってきた。


好きって告白してから、専務の私に対する言動はあからさまで、意識しているのがバレバレ。

離していてもぎこちないし、なかなか目も合わせてくれなかったから。


でも裏を返せば、専務は私が好きってことを自覚してくれたということ。

それに今では、多少ぎこちないけれど、以前のように普通に話してくれるようになったし。

人情味溢れる場所。温かいアットホームな職場。

そこで暮らせているだけで、私は満足だった。
< 98 / 111 >

この作品をシェア

pagetop