too much
「告白」side美穂
「美穂ちゃんは、料理が得意なんでしょう?
どういうのが得意なの?」



『美穂ちゃん』って…
知り合ったばっかりだっていうのに、この人はさっきから私のことを名前で呼ぶ。
それがいやってわけじゃないけど、なんか苦手だな。
まぁ、イケメンはイケメンだけど、軽いっていうか、チャラいっていうか…



「美穂ちゃん…??」

「あ、え…えっと、地味に煮物とか…」

「へぇ…煮物かぁ、良いなぁ…
いつか、俺にも作ってほしいな。」

なんだか言う事すべてがチャラく聞こえる。
だいたい、私、料理なんて得意じゃないから。
今、必死で勉強中。
なんたって、今までほとんど作ったこともなかったんだから。
それなのに、あゆが適当なこと言うから…



それにしても、この人、なんで私なんかに…
やっぱり、この人も女性的で気の付く子がタイプなのかな?
でも、そうだとしたら、今日の私はかなりうまくやれてたってことだね。
ちょっと、料理を取り分けた程度で、こんなに簡単に騙せるもんなんだ…
あ…服装もあるか。



でも、なんだかおかしな気分だ。
ほんの少し服装を変えて、ほんの少し演技をするだけで男の人なんて簡単に騙せるんだね。
あゆの言う通りにするだけで、確かにうまくいってる。

< 13 / 141 >

この作品をシェア

pagetop