世界でいちばんキミが好き。
笑恋



「……あのさ、好きなんだけど」









放課後の教室。


日誌を書いているキミの、
ひとつ前の席にすわった俺の声が
しずかな教室に響く。


ドキ、ドキ、ドキ……










「ありがとぉ♪

ニコも天(てん)ちゃんがだぁーいすきっ!」


「……」


まてまてまて。


「ニコさん、ちがうちがう。
俺は本気で好きなの」

「ニコも本気で好きだもん。
天ちゃんになんか、ぜったいに負けないしっ!」


え、ほんとまって。

てか、なにはりあってんの。


もしかしなくてもぜったいにこれ、
幼なじみとしての好きにとらえられてるよね。


目の前でニコニコして笑う姿を見て、
俺は盛大なため息をつく。






……うん、こういう子だったわ。






人生初、勇気をふりしぼって
ようやくことばにすることのできたこの想いは、


キミにはこれっぽっちも


つたわりませんでした───。






──────…………


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