肉食御曹司に迫られて

B.C square TOKYOロイヤルインターナショナルホテルロビー そして晃の部屋

「すみません。伺いたいことがあるんですが?」
奈々は、その人を見て驚いた。
その人は、そっと、人差し指を口に当てて、ニコッと笑った。
「はい、承ります。お掛けください。」
奈々も、絢香に合わせて言った。

そう、その人は、こないだ会った晃の彼女だった。
絢香は柔らかい笑顔を見せると、
「急にすみません。奈々さんと少しお話がしたくて。」
と、小声で言った。
「はい?」
奈々は、状況を飲み込めず、絢香の話の続きを待った。
「今日、お仕事が終わった後、少しお時間大丈夫ですか?」
奈々はよくわからなかったが、絢香がわざわざここまで来てくれたって事は、話たい事があるのだろう。
「今日は、19時までです。お会いできるのは、19時半ごろになるかもしれません。」
奈々は、ビジネスモードを崩さず、笑顔で言った。
「解りました。それで大丈夫です。それぐらいの時間に、2Fのカフェにいます。大丈夫ですか?」
絢香は、そういうと、紙に書いた自分の連絡先をデスクの上に置いた。
「もしも、都合が悪くなったり、時間の変更とかがあれば、連絡ください。」
絢香は笑顔で言った。
席を立った絢香に、
「ありがとうございます。」
その言葉に、絢香はニコッと笑った。
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