いつの間にか、溺愛。
これは、溺愛なのか。
時間はジャスト19時。

待ち合わせ場所に指定された駅ビルで彼を待っている。

ここまでくれば思い出が多すぎるこの場所。


そして、彼はまだ来ず……

まぁ、これもまた安定の想定内です。

〜♪

タイミングよく着信が鳴る。

「またドタキャンですか?」

「ははっ そんなわけないだろ〜」

いや、現にそうではないか?

待ち合わせ場所にいらっしゃいませんよね?

「俺さ、意地でも会いたいからお願い聞いてくれる?」

「そのお願いに私はメリットありますか?」

「それは、会ってからのお楽しみ。てことで、ごめんけど病院まで来て?」

「……はあ?」

「とりあえず着いたら連絡して」

ブチッと耳元の携帯から聞こえ切れてしまった。

あら?……こんな人だったっけ?

なんとも一方通行な。

と、言いつつも病院に向かう私もどんだけだよ。
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