寄生虫
心配事
その日の昼休み、あたしと真尋は机をくっつけてお弁当を広げていた。


友人の真尋とは高校1年の頃からの友達で、2年A組の中では一番仲がよかった。


真尋は昔からショートカットでサバサバとした性格をしていて、誰とでも仲良くなれる優しい子だ。


京介と同じサッカー部所属の菊谷克哉(キクタニ カツヤ)と付き合っていて、それは校内公認のお似合いのカップルだった。


そんな克哉は今京介と一緒に売店へ行っているため、教室にはいない。


「そろそろ告白すればいいのに」


何の前触れもなく真尋にそう言われ、あたしは口に含んだお米を思わず吹き出してしまいそうになった。


「な、なに言ってるの!?」


顔を真っ赤にして周囲を見回しながらそう言う。


真尋はシレッとした表情を浮かべて「だって、じれったいんだもん」と、言った。


その言葉にあたしは軽く頬を膨らませた。


確かに、それはあたし自身も感じていることだった。


克哉と真尋が付き合い始めたのは丁度1年くらい前からだけど、それより先にあたしは京介に惹かれていたんだ。


入学してしばらく経った放課後、京介と克哉の2人が部活終了後に2人でサッカーの練習をしているのを見てから、ずっと好きだった。
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