寄生虫
あたしたちが教室へ入ると「相変わらず仲良く登校?」と、友人の相崎真尋(アイザキ マヒロ)が声をかけて来た。


あたしは真尋の右隣、京介は真尋の前の席に座りながら「まぁね」と、同時に返事をする。


京介のその言葉に、あたしは一瞬心臓が高鳴った。


そんな返事をするということは、京介はあたしの事を好きなんじゃないかと勘違いしてしまう。


真尋はチラリとあたしを見て「よかったね」と、小さな声で言って来た。


あたしは自分の頬が赤くなるのを感じながら、京介の後ろ姿を見つめたのだった。
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