マ王の花嫁 
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ジュピターを始め、護衛の馬たちも私たちと距離を保ちながら、スピードを落とさず、順調に駆けて行く。
私たち一行は森を抜け、ひたすらラワーレがある西へ向かった。

途中、2つの国を通過(そして3番目の国に入国)する際、ライオネル王は左手の薬指につけている指輪を、そしてマーシャルたちは通行書状を国境兵に見せた。
どうやらその書状は、私の分もあるらしい。

加えて、ライオネル王と私が羽織っているマントは、防寒という実用面のためだけではなく、身分の高さも表しているのだと、国境兵の対応を見て気がついた。
だからライオネル様は国王に相応しい、一目見てすぐ分かる、豪華で高価なマントを羽織っているのね・・・。
でも、私のマントも中々豪華だし、良い布地を使っているはず。
もしかしたらこれも、バーバラ様の形見の御品だったのかもしれない。

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