ハイスペックイケメンなんてお呼びじゃない!~バツイチナースは恋に無関心~
俺の職場は恋するビルらしい side航平
俺の経営する法律事務所のオフィスのあるビルは別名恋するビルらしい。

なにしろこのビルは有名企業のオフィスが複数入っており自分の事務所も30階に入っているがそれより上には投資顧問会社やコンサルタント会社などの年収は平均4千万越えという高収入企業が多数なので玉の輿を狙う女性が商業施設フロアのレストランやお店に来ては出会いを求めているんだとか。

ただ、そんな女性には興味も関心も持てないような俺やその他の高収入所得者は大体会員制のVIPラウンジの利用が目立つ。
会員制だけあり、余程じゃない限り玉の輿狙いの肉食系女子には出会わない。
ラウンジでは女性でもある程度気品があるか夫の収入が良い奥さんや起業家の自立した女性が多い。

そんなVIPラウンジで先日俺は運命的な出会いを体験した。
今までもそれなりに女性との付き合いはあった。

実家もそれなりに裕福だし、自分も弁護士であり独立してそれなりの事務所で所長もしている。

そして外見は穏やかで爽やかな印象を与えるタイプのイケメンらしい。
これは幼なじみの夫婦から言われたのだけど。


そんな外見と肩書き、収入から自分から相手を探さなくても良いそんな感じの付き合いしかしてこなったせいか未だに独身街道を走っている。


更にここ数年は独立して事務所の運営に力を入れていて女性関係は全くなかった。

その数年の間に幼なじみの夫婦は双子の娘に恵まれてとても幸せそう。


おかげで仕事はとっても充実した日々を送っているのにふとした私生活の時間にもの寂しい気分を味わうようになった。


なので最近は今後人生を共に歩める相手と出会えないものかとそんな風に考え始めていたその矢先の出会いだった。


完璧に一目惚れだった。


彼女を見た時に唐突に


『彼女だ!俺がこの先共に生きていきたい人は!』


そう、一目見てそう思ったのだ。
人生38年生きてきて初めての一目惚れ。
これこそ運命的なものだろう。

こういう感覚的な物はそうそう外すことは無い性格の俺はとにかく彼女だ!その感覚からさっそく行動に移すことにした。

今までは受ける立場だっただけにアプローチの仕方など分からないがラッキーな事にラウンジで彼女と一緒に居たのは幼なじみの夫婦だったのだ。


どうやら神様も俺にゴーサインを出してるようだ。



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