ハイスペックイケメンなんてお呼びじゃない!~バツイチナースは恋に無関心~

とにかく善は急げと衝撃が治まったそのあとすぐに親友の渉に電話した。


『こんばんは、渉。今ちょっと話し出来るか?』


『よぉ、航平。こんな時間に珍しく電話なんかしてきてどうした?ワーカホリック気味のお前ならまだオフィスに居るんだろう?』

『あぁ、確かにまだオフィスだが。さっき息抜きがてらの休憩にラウンジに行っててな。単刀直入に聞くが一緒に居た彼女はお前達夫婦とどういう知り合いだ?』


『今日は職場のスタッフ皆と残業無しで医院を閉めれたから1杯ラウンジでご馳走してたんだよ。皆居たけど、お前が誰?って聞くとなると一年前に入った新しい看護師の小林さんかな?』


『細めで、穏やかな感じの若い子。黒髪で肩くらいのストレートの髪で背は低めだった』


『それなら、小林さんで間違いないね。しかし見てたなら声かけてくればよかったのに。どうしたんだよ?』


『小林さん... 下の名前は何て言うんだ?彼女には付き合ってる相手が居たりするだろうか?』


『航平、お前もしかして?え?なに葉月ちゃん気になるの?!』

唐突に聞いた内容に渉が驚きの隠せない声を出した。


『葉月さんって言うのか。一目見た瞬間に彼女だと思ったんだ。一目惚れなんだよ。出来たら付き合いたい、もちろん結婚を前提に。理屈とか抜きでこの人だって思ったんだよ。その衝撃が大きくて動けないで見てるうちにお前達解散しちゃったから...』


『そうか、お前から女性を好きになるなんて初めてだよな。しかも生涯の相手ともなればそんなになるもんか。』

普段の俺を知ってるだけに渉から見ても稀な現象に納得したらしい。


『俺もびっくりしたと同時に安堵したんだ。やっと好きな人愛しいと思える相手に出会えたんだから。でも衝撃すぎて気づいたら居なくなってて...
でも彼女はラッキーな事に渉達と一緒に居たのを思い出してお前に連絡したんだ。』

運命の人に出会えたのにあまりの衝撃に行動出来なかった自分に彼女が居なくなってから気づいて慌てたのは一瞬。
その彼女の側には幼なじみ夫妻が居たのを思い出した。

本当にラッキーだった。
下手したら何も分からず終わる所だった。

『そうか、それなら俺とより美春と話す方が早いかもな。葉月ちゃんは結婚はしてないけど相手がいるかどうかはさすがに俺も分かんないし。でも美春と仲がいいし同性同士なら恋愛関連の話もしてるだろうから。代わろうか?』

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