修羅場の色
修羅場の色
 私は大きな家の門のインターホンを覚悟を決めゆっくりと押した。


「はい。どちら様?」


 その声は彼女だ……


「突然伺ってすみません飯山です。お話しがありまして……」


「あら? どうぞお入り下さい」


 私が玄関を開けると、可愛らしい女の子と小学校低学年くらいの男の子が立っていた。


「いらっしゃい。ママ、可愛いお姉さんだよ」


「あらあら、ごめんなさいね…… どうぞ上がって……」


 彼女は昨日と違い、白いTシャツにジーンズという格好だが、スタイルも良くやはり綺麗だ……


「す、すみません……」


 状況からいくと、私は愛人であり、奥様の所へ乗り込んだと言う設定だと思う。


 多分…… 修羅場だ……


 しかし、居たって空気は爽やかで、子供達の笑い声に何故かほっとする。


「私は、真美で、お兄ちゃんは悠馬だよ」


「はじめまして、私は美優よ。よろしくね」

 思わず、ニコリと挨拶してしまった。

 何かがおかしい気がする……


「ママ、お姉さんと大事なお話があるから、少しだけ、二階で遊んでいてくれる?」

 彼女が言うと、「はーい」と素直に子供達は二階に上がって行った。
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