イケメン小説家は世を忍ぶ
7、捕らわれた彼女 ー 桜井建(ケント)side
「あと三十分で出発します。どうですか?七年ぶりにセピオンに戻る気分は?」

これからいろんな試練が待ち構えているというのに、ユアンは上機嫌だった。

俺がセピオンに戻ることに決めたからだ。

ホテルのラウンジで結衣に偶然会った後、俺とキースはユアンと合流し、今、都内の米軍基地の施設の中にいる。

俺の声明を受けて、アメリカ大統領は俺の発言を支持すると発表。

俺がキースと会っている間に、ユアンはアメリカ政府高官と話をし、軍事的・経済的支援を取り付けた。

日本を発つのは一両日中の予定でいたが、ネットに俺のホテルでの写真が流出してアーロンに俺の居場所がバレたため、急遽予定を早めて今夜この基地から発つことに……。

民間人が利用する空港は使えない。
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