泥酔ドクター拾いました。
「ところで、大和田先生は、奈緒のこと気が付いてるの?」

既に缶ビール二本目の美樹は顔を赤らめ、瞳を潤ませている。
そんな美樹が、急に真面目な顔して尋ねてきた。


「話してなんてないから、わかんない。でも、きっと気が付いてないと思うよ、ナースだってたくさんいるし、私のことなんて多分忘れているわよ」

私は小さく首を横に振って見せる。

私だってこのビールが2本目だっていうのに、こんなにも酔うことが出来ないのは、きっと話題が大和田先生だからだ。


「もう、あんな泥酔男に関わりたくないっていうのに」
私はぼやきながら、その2本目の缶ビールを一気に飲み干したのだった。

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