愛されることを受け入れましょう
4.
月曜日、朝イチの会議のためにいつもより30分早く出社する。まだ2年目、今年新人の入らなかったうちの部で一番の下っ端だから、雑務は私の仕事。
夕べから下がったままのテンションで、会議室に入って蛍光灯とエアコンを付けた。

私が勤める小さな文具メーカーは5階建ての古い自社ビルであちこち老朽化している。エアコンの効きも悪いから早くから付けておかないとちっとも涼しくならないし、蛍光灯だって完全に明るくなるまでに時間がかかる。

黙々と会議机を拭いていたら、自然と昨日の事が思い出されて、ため息がこぼれてしまった。

「私、このままじゃ彼氏も出来ないままでおばあちゃんになっちゃうかも」

樹くんは私を抱きしめた後、予定通り買い物に行って西京焼きを作ってくれた。で、食事の後はいつも通り、家まで樹くんに送ってもらって。

休日の度に樹くんと過ごしていたら、彼氏なんて作るヒマがない。いや、その前に好きな人を作らないといけないんだから、道のりは長い。

せめて合コンに行くか友達に紹介を頼むかしないと、きっかけさえ掴めないだろう。でも社会人になってもまだ門限がある、自宅暮らしの私にはなかなか難しい。ハードルがかなり高い。
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