夜夜が青春
第1章 青春の日々を一転


あの夏、地元の公立高校。

体育館の舞台上で気持ちよさげにギターを鳴らす君の姿が、嫌でも脳裏に焼き付いた。

頬を伝う汗、揺れる短い髪。煩く点滅を繰り返すスポットライト。

彼が悪戯に舌を出せば、私の全身が震え上がった。

青春の代名詞の一つである学祭が、当時18の立花 凛の人生を変えてしまった。

いや、厳格に言えば、その学祭のライブのステージで右端でしきりにギターを鳴らす、同じく当時18歳でクラスメイトだった須賀 亮に、だ。

体育館中が熱気に包まれているせいか、その日の気温がその年最高を記録したからか、はたまたそれ以外か、暴れ叫ぶ生徒とは一線を置いて一人体育館の端で眺めているにも関わらず、立花は今にも体中から湧き出る熱に倒れそうだった。
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