『僕の中のカナリアは死にました。
カナリアを愛してくれていた先生は、きっと僕に魅力を感じなくなるでしょう』


空が夜に染まって、カーテンを揺らして存在を主張しながら、彼は私の前に現れた。

しくしくと泣く少年は、私の知っている彼より少しだけ幼い。

全く喋ってくれなくなった彼が、ある日、気持ちだけ窓辺に現れるようになった。

『先生、僕を誘拐してください』

お望み通り、本音が君を殺してしまう前に、私が誘拐してあげる。


変声期、綺麗なボーイソプラノだった彼の美しい声が低い男性の声に変わる。
それが嫌だと本音は泣くが、現実の君は本音を言わない。

幼馴染み、同じ吹奏楽部。
そして受験勉強の家庭教師をしてあげて同じ学校に通うようになった。

清水 奏 高校一年
×
武田 美空 高校三年生

涙が悲鳴をあげたら、夜の窓辺で会いましょう。

7/25
誤字修正しました。

この作品のキーワード
スタ文大賞2