先生、僕を誘拐してください。
六、『先生、僕を誘拐してください』



夏休みが終わり、試験も終了し金曜になった。
来週から学際が始まる。

月曜は放課後から前日準備やリハーサルに潰れる。
火曜の一日目は中庭を中心にOBや親たちの有志と先生たちによる露店、運動場では体育系の部活のゲーム試合、体育館では私たち合唱部やバンド、吹奏楽部の出し物が同時に開催される。

二日目は、近くの公民館を借りて一年生による劇やダンスの出し物。そしてプロの劇団を呼んで観劇や、プロの歌手を呼んでライブ、など。
今年は、映画同好会が全国大会で優勝したらしい短編映画を上映するらしい。


三日目は体育祭。一人二競技出る。私は借り物競争と50Ⅿ走だった。


「え、奏、応援団にも入ってるの? 村田くんと? 蒼人は?」

「蒼は校門に飾る看板係でさ、どうしても手が回らないって」

合唱部の最後の練習で、二日ぶりに奏に会った。
一年生が一番忙しいのに、奏はそれに生徒会と合唱部と応援団の練習まであってうちの家に帰るなり常に爆睡してたから起きて走り回っている以外の奏を久しぶりに見た。
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