愛され任務発令中！～強引副社長と溺甘オフィス～
任務その②『突然の辞令に従いましょう』
少しだけ肌寒い朝。


寝相が悪い私は寝ている間に布団を退かしてしまっていたようで、目覚まし時計の音ではなく、寒さを覚え目が覚めた。

「ん……もう朝？」

重たい瞼を必死に開けながら窓の方へ向けたけれど、朝陽が差し込んできていない。

けれど時計を見れば、六時になろうとしていた。


ベッドから起き上がって窓の方へ向かいカーテンを開けると、今日は梅雨らしく朝からしとしとと雨が降っていた。

「今日は雨……か」

梅雨なのだから雨の日が多いのは当たり前だけれど、昨日も一昨日も雨だった。

こう連日太陽を拝めていないと、ちょっと憂鬱になる。

おまけに偏頭痛持ちで頭が重い。

「薬飲んでいかないと……」

独り言を呟きながらも、準備を進めていった。



「やだ、菜穂美。髪ボサボサよ」

「分かってるよ、食べ終わったらちゃんととかすから」


いつものように用意してもらった朝食を食べながら、ボーっとテレビの占い番組を見ていると、お母さんは私の髪の毛を見て呆れ気味に言ってきた。
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