愛され任務発令中!~強引副社長と溺甘オフィス~
「そんなこと言って、この前も時間がなくなったって言って慌てて出たじゃない。のんびりテレビなんて見ていないで、早く食べて早く身だしなみを整えなさい!」


あぁ、また始まってしまった。お母さんのうるさい小言が。


もちろん私のためを思って言ってくれているとは分かっているものの、毎朝同じことを言われると、ちょっとありがたみも薄れてくる。


社会人になってもひとり暮らしをすることなく、実家で暮らしていた。


本当は大学を卒業したらひとり暮らしをするつもりだったんだけど、私のことをよーく理解してくれている両親に全力で止められたのだ。


「鍵閉め忘れて、泥棒に入られそう」とか、「アパートを全焼しかねない」とか。

それでも必死に説得し、試用期間の三ヶ月が終わり、正規雇用を機にひとり暮らしのお許しが出た。

もちろん住むところは実家からほど近いアパートだけど、それでもあと少しでひとり暮らしできるかと思うと嬉しい。


トーストを食べていると、ちょうどテレビから毎朝チェックしている占いコーナーが始まった。
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