夜空の星は月とともに瞬く
第12章 逃げるが勝ち
バサ…


ベッドの上から掛け布団が落ち、一緒に体が滑り落ちる。



『痛った…』



まだ息が整わないため、思うように声が出せない。



『徹平…』



何故か浮かんだアイツの顔。


関係ないはずなのに浮かんでくる。



『知らないっ!関係ないっ!私の世界に入ってこないでっ!』



思わず大きな声を出してしまった。



『もう分かんないよ…私には、この世界は向いてないんだ。』



自分の考えがまとまらない。


何を思っているのか、今何が正しいのかがわからなくなった。



『屋上だったら…考えがまとまるかも…』



< 86 / 107 >

この作品をシェア

pagetop