無駄な紅葉は散り濡れる.
紅葉なり
今までほしいと思えば
何でも手に入った.

それが
東宮の俺にとって
当たり前だった。

だけど、
それが嘘だと
教えてくれたのは
紅葉だった.


初めて会ったのはいつだっただろうか。
それすらもう覚えてない。

ただ、東宮になりたての頃だったと思う。

たまたま近くにいただけで
俺が従者に怒っていた。
そんな時だった。

『あなた大丈夫?』

そんな女の声がしたのは。


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