恋に涙を花にはキスを【コミカライズ連載中】
蜜月
荒い息遣いですり寄られたり、服の上から身体のラインを撫でられただけでも、気持ち悪いとか思ってた。


なんでそんなことするんだろう、って。
わかってるよ、つまり性欲ってそういうことなんだろうけど、そんな目の色変えてやること?


とか思っちゃって、そしたらなんかつい、一歩下がってしまう自分がいた。


なのに、今は欠片もそんなこと思わない。


東屋さんの、熱い息遣いが肌に触れる。


緩急をつけて肌に触れる、あたたかな唇の感触。


時折、何か堪えるように喉を鳴らす。


信じられないほどに甘い声が、私の喉からひっきりなしに響く。


「一花、」


と、熱の籠った声が耳元で聞こえた瞬間、余りに熱くなった身体に、確か「こわい」と泣いた気がする。


だけどわけもわからないまま、翻弄されてそれきり記憶がない。


多分、前の夜殆ど眠れなかったのが、いけなかったのだと思う。


次に目が覚めた時には、私は東屋さんの腕に抱かれてベッドの上だった。

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