気高き国王の過保護な愛執
不毛な会話に、ふたりは噴き出した。

美しい顔を惜しげもなくくしゃっとしかめ、まばゆく笑うルビオに、フレデリカは思わず見入った。

ふと灰色の瞳が、まっすぐに彼女を見つめる。


「申し訳ないが、しばらく世話になる以外なさそうだ」


ケーニヒス・クランと呼ばれる、完璧な上流言葉。ここまで純粋な発音でそれが紡がれるのを、フレデリカは聞いたことがない。


「ぼくにもできる仕事があればさせてほしい」

「まずはその、無残な傷を治して」


指さされた己の左肩を見下ろし、ルビオはにっこり微笑んだ。


「わかった」


なにを拾ってしまったのかしら。

フレデリカは内心で首をかしげた。


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