不機嫌なジェミニ

一緒は楽しい?

ジンさんの家に行くと約束していた土曜日。
朝食後にソファーに寝そべり連絡を入れると、

「会議があるから、部屋で待ってて。今日は泊まれるだろ」と言われ

「はい。夕食を作って待っていてもいいですか?」と聞くと、

「助かる。トウコの弁当いつも美味いし。」と笑った声を出すので、

「えーと、帰る前に連絡ください。温めて待ちますから…」

「遅くならないように帰る。愛してるよ。トウコ」と言って電話が切れた。


…愛してる…って
ご飯ぐらいで大袈裟だな。と頬を緩めてスマホを閉じると、


香澄が私の後ろに居たみたいだ。

「ふーん。上手くいってるんだ」とニヤニヤとしている。

「まあね。」

「トーコちゃん、ジンさんに他にオンナがいないか聞いた?」

「…まだ…」と顔をしかめると、

「別にいいよ。トウコちゃんがそれでいいなら…」とキッチンに入ってケトルに水を入れている。

「私もコーヒー飲みたい。」

「トーコちゃんが淹れてよ。私がお湯を沸かしたんだから…」とケトルをガスコンロにかけて、洗面所に入って行く。

…なんだかその分担は私が損な気がするけど?

調子のいい、香澄にいつも使われているような気がする…
と思いながらソファーから立ち上がってコーヒーを淹れるためペーパーフィルターとカップを用意した。
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