【完】Kiss me 社長の秘密と彼女のキス
「社長は?」
「俺も食べるよ」
当たり前のように、麻耶の隣に座り自分のサンドイッチを手にした芳也になぜかホッとした自分に麻耶は驚いた。

特に会話もないまま、映し出されたDVDを眺めて二人で遅い朝食を取った。

食べ終わると、芳也は食器を片付けて、麻耶に薬を持って戻ってきた。
「なあ、薬飲んで今日はゆっくりしてろよ」
「はい……。ありがとうございます。芳也さんは?」
「俺もしばらく忙しかったからゆっくりしたい。いい?」
「え?もちろん」
「じゃあ、今日はDVDでも見ようか」
「はい」
当たり前のように、一緒に過ごそうとしてくれる芳也の気持ちが嬉しくて、麻耶はその気持ちをごまかすようにソファに身を沈めた。

芳也もいつもよりリラックスしているようで、ソファの肘置きにもたれながらテレビに目を向けていた。

そんな芳也とテレビをぼんやりと見ていた所で、麻耶はゆっくりとまた眠りに落ちて行った。






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