15歳、今この瞬間を
あたしのことなんか、何とも思っていないハズなのにーー。

あたしも、リョウくんのこと何とも思っていないハズなのに。

「あたしもびっくりだったけど、ロウもびっくりなんじゃない?」

「……、ま、先生が良いからな(笑)」

「それは言える」

リョウくんの最初の間が気になったけど、あたしは気にしないことにした。

ロウの話題にいい顔をしないのは、いつものことだったから。



もうすぐ冬休みに入り、年が明けるーー。


あたしはこの先、どうすれば……。

愛(かな)しい想いは胸の中、飛び出したくてドアを開けようとしていた。

ロウのマフラーはまだ、クローゼットの中から出られないままだった。








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