15歳、今この瞬間を
あれからあたしとリョウくんは、彼氏彼女の関係を解消するでもなく、何事もなかったように日々を過ごしていた。

リョウくんがあまりにも普通すぎて、言いだせなくなってしまったあたし。


でも、ありさちゃんのことしか見えていないリョウくんが、何であたしに好きだなんて言ったんだろう…さっさと振ってくれていいのに。

「受験が近いせいで、すごい人だな」

「そうだね」

名前が貼り出されている掲示板に着いたはいいけど、背が低いあたしは何も見えなかった。

「俺は9位だった。夢希は?あった?」

9位…さすがだわね。

「わかんない、掲示板が見えなくて…」

「ああそうか(笑)。夢希は……と、その前に、ロウが31位だ」

「…」

ロウがーーーそうだよね、ありさちゃんとの約束だもんね。

「お!夢希もあったぞ!」

「え⁈」

「46位!やったな!」

そんな風に爽やかな笑顔で喜ばれたら……複雑じゃん。

< 242 / 287 >

この作品をシェア

pagetop